AGE測定で腎症を起こしやすいかがわかる!
放置すれば透析に至る腎症も、現在は早期発見により治癒できる薬が見つかっています。そのために当クリニックで採用している方法が尿アルブミン検査。これが18を超えたらすぐに治療を始めます。そうすることで腎機能を改善させることができます。
病気を治せるようになると、次は予防法がないかと考えるようになります。そのためにはもちろんHbA1cを低く保つことが重要ですが、HbA1cを低くしていても腎症が進みやすい人がいることがわかっています。将来的に腎機能が悪化しやすいかどうかを知る方法はないのでしょうか。
2013年10月のDiabetes Care(アメリカ糖尿病学会誌)に、そのための指標が報告されました。AGE測定です。以前より、尿アルブミンが上昇する前から、腎臓の組織を顕微鏡で見ると軽微な変化が始まっていることがわかっています。しかし、それを見るためには腎生検(入院をしないとできず、出血や感染のリスクがあります)が必要で、誰にでも行うことはできません。研究では、「腎生検での異常」と「AGE」の間に関連性がないかを調べました。結果的に、AGEが将来の腎機能異常の予測因子として極めて有効と結論づけられました。
AGEは合併症の原因物質なので、当たり前と言えば当たり前の結果ですが、腎生検をしないと分からないくらいの初期の変化をも予測できることは医学界に大きな衝撃を与えました。定期的に尿アルブミン検査に加え、今後はぜひAGE測定もしていきましょう。AGEは、血液での測定の他に、皮膚に貯まったものを測る方法があります。こちらの検査はわずか30秒、手に光を当てるだけで結果が分かります。
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