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腎症にタンパク制限食は必要ない!?

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2012.08.08

糖尿病の合併症のひとつ、腎症は悪くするととてもやっかいです。透析という治療が必要になり、週3回も病院に通わないといけなくなります。そのため、1泊2日の旅行すら簡単にはできません。

 腎症が出ると腎臓内科に通院することになりますが、そこでは食事でタンパク質を制限するよう指導されます。肉や魚を食べる量をぐっと控えよう求められるわけです。これが続けるのがつらいという悲痛の叫びを我々はしばしば聞きます。

 しかし最近になり、このタンパク制限食は必要ないとする大規模な研究結果が出ました。日本を代表する8つの大学病院の共同研究によるものです。この研究では、糖尿病で腎症が出ている方を対象に、タンパク制限食と制限なしの2群に分かれてもらい、5年後にどれくらい腎臓の機能に差が出るかを見るかをみたものです。結果はなんと、両者に全く差が出ませんでした。がんばって肉や魚を控えても、決して腎臓を守ることはできなかったのです。この結果には驚く方が多いのではないでしょうか。

 実はこれ、海外では以前から言われていたことです。糖尿病以外で腎臓が悪くなった場合にはタンパク制限食が有効ですが、糖尿病による場合は必ずしも効果的ではないのです。

 では、糖尿病で腎臓が悪くなってしまった場合にはどうすればいいのでしょうか。これに対する答えも明確です。腎臓を保護する薬を使えばいいのです。初期の腎症であれば、完全に治すことのできる特効薬があります。これについては次回のブログで詳しく説明します。

 腎臓が悪くなっても炭水化物制限をやめる必要はありません。もちろん、肉や魚を楽しむことも問題ありません。私たちは、常に最先端の知識を用い、みなさんの治療に当たります。タンパク制限食でつらい思いをしている方、ぜひ私たちにご相談ください。みなさんも腎臓を守る最高の治療法を提案します。

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